僕は日課のように毎日本を読んでいます。
本は最高にコスパが良いアイテムだと思います。
数百円~数千円で著名な著者の考え方を学べたり、新しい知識や情報を得ることができるからです。
本を沢山読むようになるともっと早くもっと沢山の本を読めるようになりたいという欲が出てきます。
でも、なかなか読書スピードって上がらないんです。
そしてやっぱりググってします。
- 「本 読む 速さ」
- 「読書 スピードアップ 方法」
- 「速読術」
僕も色々調べました。
結局行きついた結論は、怪しい速読術に頼るのではなく目的を持って読書をするという事です。
その結論に行きついたステップを書いておきますのでご参考まで。
速読術・速読法は怪しいのか?
巷では速読術や速読法の情報が沢山あります。
1ヵ月で1万冊読んでしまう!
30分で300ページの本を読める!
などなど、信じがたいことばかりが羅列されています。
当然、その様な方法を生業にしている方達は、速読法があり得ないと言っている人があり得ないというわけです。
しかしながら、海外のニュースで面白いものがあります。
2016年にカリフォルニア大学から出たレビュー論文です(1)。
これは、過去に行われた速読の研究から約200本の論文を選び、それぞれのデータをチェックしたもの。現時点における速読リサーチの集大成といっていいでしょう。
その結論とは、おおむね以下のようなものです。
1.眼球をすばやく動かしたり、周辺視野を使ってページを見わたすようなテクニックはすべて無意味。全体の読書時間のなかで目の動きの重要性は10%以下なので、いくら眼球を鍛えても意味がない。
2.フォトリーディングのように、潜在意識に本の内容をインプットすることもできない。人間の脳は、同じ文章を何度か読み直しながら理解を深めていく構造になっており、パラパラとページを進めていけば、それだけ内容の理解度が低くなってしまう。
3.実際に普通の人よりも速く本が読めることを証明した者はいない。2008年には、速読大会でチャンピオンになった人物に「ハリー・ポッター」の最新刊を読んでもらう実験が行われたが、ストーリーをまったく理解できていなかった。
(参考)
Keith Rayne , et al.“So Much to Read, So Little Time How Do We Read, and Can Speed Reading Help?”(2016)
Pauline Cullen, et al.“The Official Cambridge Guide to IELTS”(2014)
というものです。
これって速読法を信じている人からすると衝撃的な話じゃないでしょうか。
ハリーポッターも理解できないなんて、もはやパラパラ漫画の世界かと。
僕はこのニュースを見るまで、世の中には超人的な速読術でホントに超高速で本が読める人がいるのではないかと思っていました。
そんな気持ちで、色んなYoutubeなんかも見てました。
あえてどんなYoutubeチャンネルを見ていたかは言及しませんが・・・
でもこのニュースで夢から覚めましたね完全に。
速読信者を全否定はしませんが、僕はその話に乗るのはやめました。
でも、本をもっと早く理解しながら読みたいというのはどうにかしたい課題です。
そこで、色々な読書家の人の意見を実践してみて、実際に倍速以上に読書スピードが上がりました。
コスパを考えてはいけない
これは結構面白い考え方だし、なんだか気持ちが楽になる方法でした。
ビジネス書だったら数千円くらいで買えますよね。
この数千円を支払ったことで、その対価を得ようという気持ちが強すぎると本を隅から隅まで読まなければならないという意識が高くなります。
本来、自発的に読みたい気持ちで買った本なのに、買ってしまったのだから読まなければという縛られた気持ち、義務感で読む読書は当然スピードも落ちます。
自分の欲しい情報を拾って読むくらいの感覚で読むと格段に読書速度が上がります。
【例外】
参考書や資格試験のテキストなどでは隅から隅まで覚える必要があるかもしれませんし、小説などは早く読む必要もなく、逆にじっくり楽しんで読みたいものです。
わざわざ急ぐ必要はありませんよね。
ま、面白い本ほど凄いスピードで読んでしまうんですが・・・
何を学びたいのか目的を持って読む
本を選ぶとき、フィーリングで選ぶこともありますが、なんらかの目的があって選ぶことの方が大半ではないでしょうか?
「自分はこの本で何を学びたいのか?」という事を明確にしてから読むと、ノイズの様な文章を飛ばし読みできる様になります。
例えば、歴史をベースに書かれたビジネス書などの場合は、「西暦何年に~が行われて」といった文章は本質的に重要でないことが多いです。
歴史の年表を覚えるために読んでいるのではなければその行われたことから分かる教訓的な話が知りたい読者の方が圧倒的に多いはずですよね。
この場合は歴史的な前後関係はノイズとして飛ばし読みすれば良いわけです。
初めに・・・を良く読む
「初めに」という導入部のある書籍が多いです。
ここは実はかなり大事で、著者の基本的な考え方や著者と読者が気が合うかが分かる言わばファーストインプレッションの場です。
訳し方が下手過ぎて何を言ってるか理解しにくとかは論外な気もしますが、この「初めに」で著者の論法がある程度わかれば本文もスラスラ読める事間違いなしです。
なので、「初めに」はじっくりゆっくり読んでも良いと思います。
正直、「初めに」と「終わりに」をさっさと読むなんていうのもありかと思います。
面白くないですが、そもそも面白さを求めてないのであれば全然ありかと思います。
目次を良く読む
目次を読むことで、本の構成が良く分かります。
どんなステップで読者に何をどの章で伝えようとしているのか?
これを頭に入れて本を読み始めると章と章がシームレスに頭に入ってきます。
折角の読書ですから、速度ばかりに気を取られ理解度が下がってしまっては本末転倒、なんの意味もないです。
章構成から著者の意図が読み取れればロジカルに頭の中が整理できます。
その後は当然、他の誰かに本から得た知識も伝えやすくなりますし、自分がその知識を実践しようとしたときの助けになります。
ですから、目次も内容を想像しながら一通り読むことをお勧めします。
固定観念を消す
人間、長く生きてくると深いバックグラウンドのある分野が出来てきます。
文学に詳しい人、哲学に詳しい人、科学に詳しい人・・・・などなど。
その自分が詳しい分野の知識があると、どうしても批判的に読んでしまう文章があったり、逆に共感して熟読してしまう文章があったりします。
本は知識を吸収するものなので、極端な意識を持たずに中立な気持ちで読むのが良いという考え方です。
単純に著者の考え方を学ぶという姿勢で読むのが良い読み方だと思います。
論評や批評をAmazonにガッツリ乗せたいかたはどうぞ時間をかけて熟読してください。
その一生懸命かいた論評や批評を熟読する人はあまりいないと思いますが。
まとめ
- お金のことを考えない
- 目的を持って本を選ぶ
- 「初めに」で著者の論法を学ぶ
- 目次でロジックを想像する
- 固定観念を消して読む
この5つを実践することで、余計なノイズがかなり飛ぶのを体験できると思います。
大事な部分も飛ばして読んでいる可能性があるかもしれませんが、倍速以上で読めてるんですから2回読めばいいかなと割り切って読んでます。
僕の場合は気になる部分に付箋を付けたり、キンドルだったらハイライトしたりしてます。
沢山の本を読んでる人はみんな分かってるかもしれませんが、隅から隅まで大事なことが書かれている本なんてないですね。
先ずは怪しい速読法のテキストを買ったりセミナーに参加する前に、自分の読書方法を5つ見直してみてはどうでしょうか?
おおっ!ってなると思いますよ。