前回、ルーティンという言葉が実はネガティブなイメージだけではないことを書きました。
ルーティン化が進めば進むほど、業務の効率化は上がるのですが、いつかはその効率化にも限界が来ます。
これが、ルーティンという言葉のネガティブなイメージにつながっている理由といえます。
ではなぜルーティン化には限界が来るのでしょうか。
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ルーティンの特徴
ルーティン化には理解しておかなければならない特徴があります。
それは以下の3つの特徴です。
- ゆっくりとした進化(斬新的変化)
- 大きな変化を起こしにくい(経路依存性)
- 現状への依存が大きくて進化が止まる(硬直化)
ゆっくりとした進化(斬新的変化)
ルーティンは行動を繰り返すことで、徐々に改善、進化していくものです。
その特性から、現状にゆっくりゆっくりと小さな改善を上積みしていくイメージで変化します。
大きな変化を起こし難い(経路依存性)
ルーティンはゆっくりと変化をしながら構築されるものです。
このため、進化の方向は徐々に進んできた方法に沿って進みます。
つまり、急激な方向転換は難しいのです。
現状依存が高まり、進化が止まる(硬直化)
誰でも今まで時間をかけて築き上げてきた方法に愛着がありますし
今まで使ってきた方法で処理を進めたり、話をした方が楽ですし早いと考えます。
ルーティン化を徹底するほど、現状の方法への信頼度・依存度が高まります。
そして、組織はルーティン化で折角作ることのできた余剰能力・キャパシティを
利用せずに、何事も既存の方法で対処しようとするのです。
組織としての学習もしなくなり、進化は止まります。
ルーティン化が止まる理由
ルーティンが止まる理由はいくつかありますが、
主に、ルーティンがもたらす安心感と外部からのストレスとされます。
ルーティンがもたらす安心感
何度も繰り返して安定化した行動には高い信頼性と安心感があります。
この安心感のある行動に依存することでルーティン化の改善・進化が止まります。
外部からのプレッシャー
成果主義とよく言われますが、成果を早く出さなければならないというプレッシャーを受けた時に、多くの人は安全な方法で成果を出したいと考えるのではないでしょうか。
誰でも、成果重視の考えの中ではあまりにもチャレンジングな方法を取ろうとは考えません。
特に時間的な制約がある場合はなおさらです。
こんな時、今既にルーティン化で安定した方法があったらどうでしょうか。
多くの組織はこの安全な方法を選択するはずです。
プレッシャーや時間的制約が大きい組織ほど、安全なルーティン化された方法を選択しやすいため、更に進化させるモチベーションが低下・停滞します。
ルーティン化のその先に
ルーティン化が組織の進化・成長に欠かせないことは間違いないです。
しかし、徹底的にルーティン化が進むと、組織はそれに依存してしまい
急激な環境変化に対応し難くなるのも事実です。
ではどうすれば急激な環境変化に対応する柔軟性を得られるのでしょうか。
残念ながら、ルーティン化を継続するだけではこれは不可能です。
ルーティン化はある程度安定した組織の成長過程ですから、急激な環境変化に対してはむしろ足かせになります。
急激な環境変化に対応するためには新組織を結成し、この新組織を既存の組織から切り離すことが重要です。
そして切り離した新しい組織でまた新しいルーティンを作っていくことが遠回りの様で一番の近道になるのです。
まとめ
- ルーティン化で効率は上がる
- ルーティン化の進化は一定のレベルで止まる
- 極度にルーティン化された組織は急激な変化に対応し難い
- 急激な変化に対応するには新たな組織で新たなルーティン化が必要
ほとんどの組織には限界までルーティン化を追求していないので
先ずは徹底的にルーティン化することが一番です。
ルーティン化の限界まで来ている組織には、これを打開する別の策が必要になってきます。
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