この記事は中小企業診断士である僕が、星の数ほどある資格試験の中で、中小企業診断士資格を選んだ理由を書いています。資格選びに悩んでいる人の参考になればと思います。
中小企業診断士とは?
中小企業診断士という資格は名前は聞いたことがある人は多いと思います。
中小企業診断士は中小企業庁に登録される国家資格です。
そして国内唯一の経営コンサルタント資格です。
中小企業診断「士」という名前の通り、「士業」というカテゴリがありまして、他の有名資格ですと、
- 弁護士
- 公認会計士
- 税理士
- 弁理士
などが有名ですね。
他の士業との違いは?
この上記に挙げた4つの有名士業と中小企業診断士は何が違うのでしょうか。
それは、独占業務があるか?ということ。
弁護士や弁理士、公認会計士や税理士にはそれぞれその資格を持っていないとできない仕事があります。
会社の会計監査には公認会計士や税理士が必要で、当然監査業務は国から決められたルールで実施されるので必ず仕事があります。
弁護士や弁理士も同じですね。
なんの資格もない人が法廷で弁護はできませんし、特許の申請業務も出来ません。
超簡単に言うと、独占業務があるということは以下の感じです。
- 資格を持っていても仕事がない【確率が低い】
- 資格を持っていても稼げない【確率が低い】
ということです。
資格への投資対効果が高いという見方もできると思います。
最近では弁護士や公認会計士も人数が増えて仕事がないなんて話も良く聞きますが、独占業務はやはり資格の魅力の一つでしょう。
独占業務が無くて稼げるの?
実はこれも中小企業診断士になってから分かったことなんですが、中小企業診断士協会に登録すると、中小企業庁関連の仕事の斡旋が凄いです。
これらの仕事をこなしながら、大きなクライアントをもっている先生たちから学び、徐々に自分のクライアントを増やしていくビジネススタイルです。
え?直ぐに稼げないの?
と思うと思いますが、これは他の士業も同じですからね。
中小企業診断士は大手の会計事務所みたいなものがないので、いきなり就職安定収入という意味では他の士業よりは魅力がないです。
中小企業診断士を目指す価値は?
では、中小企業診断士は独占業務がホントにないのか?
はい、ありません。
ないんです独占業務。
では、中小企業診断士を目指す意味・取得する意味はあるでしょうか?
これは、実際に中小企業診断士である僕が言うのもなんですが・・・
100%あります。
中小企業診断士を目指した経緯
先ず、中小企業診断士を目指した経緯から書いておきましょう。
僕は某国立大学の理系(具体的には工学部)の出身で、当然・経営や経済学には疎い人間でした。
当然とまでは言いませんが、理系出身で会社に就職すると、研究開発エンジニアとして働く毎日です。
エンジニアとして働いていた時に一番痛感したのが、お金の概念、もっと簡単に言うと金勘定ができるエンジニアが少なすぎるということでした。
投資対効果くらいは算出できますが、それが損益やキャッシュフローにどの様に影響するか?など少し幅を広げた経営目線になると何も語れない・考えられないエンジニアが多過ぎるのです。
そして、もう一つ。
今言った経営目線という話ですが、「経営」なんてたいそうな言葉を使うとしり込みしそうですが、単純に仕事の1つです。
エンジニアが開発業務をする仕事となんら変わらない1つの仕事です。
何が違うか?
それは判断したことの影響範囲が大きいか小さいかだけです。
- エンジニアが実験の方法を変更して、結果が変わる
- 経営者が経営方針を変更して、会社の業績が変わる
この違いだけです。
確かに経営者レベルまで行けば、イチエンジニアとは責任の重さも変わってくるでしょう。
でも、僕が不思議だったのは、経理や財務、企画といった人たちで少し金勘定ができる人たちが、なぜ金勘定のできないエンジニアを下に見るのだろう?
平たく言えば、「なぜバカにしているんだろう?」
と思ったことです。
実際に中小企業診断士の資格の勉強を進めればわかりますが、財務・会計を学んでいくと会社の経理部や財務部の人たちがそんなにレベルの高いことを言っているわけではないことは直ぐに分かります。
そこで僕は思ったわけです。
- あぁ、君たちには直ぐになれそうだね。
- でも、君たちは僕にはなれなそうだね。
つまり、理系出身エンジニアが財務会計を学んで、経理部や財務部のレベルに達するのは容易だけど、財務部や経理部の人が理系出身エンジニアと肩を並べるまでになれますか?
という事です。
皆さんもご自分の会社で想像してみて下さい。
どちらの可能性が高そうですか?
僕は間違いなく前者の可能性が高いと思います。
そして、経営学をベースにお金・IT・法律の知識などを吸収したエンジニアを想像してみて下さい。
一番幅広く会社経営に適した人材が出来上がると思いませんか?
僕はそう思って、中小企業診断士を選びました。
実際に、中小企業診断士になると会社内でも見る目も変わりますし、業務も変わります。
僕の場合は、海外子会社の事業(もちろん経営含めて)を一任される様になりました。
明らかにイチエンジニアの枠を超えた仕事になっているわけです。
そして、経理や財務を生業としている他の従業員など一瞬で追い越しているわけです(実際はかなりの勉強が必要なので一瞬で追い越しているわけではないですが・・・そのお話はまた別記事にて)。
一緒に合格した同期メンバーもその先のステップが早かったです。
- 国内・海外のMBAへの進学
- 海外駐在
- 昇進
- 他士業とのダブルライセンスで仕事増加
- 起業(会社設立)
- 起業(中小企業診断士として独立)
といった感じで皆世界に羽ばたきました。
合格後1年以内にみんな上記の変化がありました。
これは明らかに中小企業診断士資格を取得した効果を体感する結果でした。
僕は理系出身者こそ中小企業診断士にトライするべきと言っていますが、これは僕自身が理系出身エンジニアであったため、実体験を語りやすいからです。
当然、理系出身エンジニアではない人・もともと経営分野の人・人事や購買の人も取得する価値が十分にあります。
現状の仕事が更に深堀りされますし、業務の幅は当然広がります。
まとめ
中小企業診断士を選ぶと良いところ
- 経営の幅広い知識が身に付く
- 国家資格が得られる
- 中小企業診断士仲間のネットワークが得られる
- 就職に当然有利
- 会社内での立場も変わる
星の数ほどある資格の種類ですが、経営コンサルタント唯一の国家資格として、会社経営の幅広い知識を手に入れられる中小企業診断士資格は、会社内に留まらず起業する場合でも非常に有利な資格です。
MBAと違って、資格ですので独学でも取得できますしね(因みに僕は独学&予備校にも行かずでした。この話もまた別の記事にて)
今の業務で物足りなさを感じたら是非トライするべきです。
特に理系出身の方、おすすめです。